とうとう、3度目の緊急事態宣言が発令されました。
今回の緊急事態宣言は、昨年春の最初の緊急事態宣言レベルの厳しさで、落語界にも大きな影響が出ています。SNSを見ていても、たくさんの会が中止や延期を強いられています。私のもとにも、たくさんの中止や延期のお知らせメールが届きました。
今回はこれまでとは違って猶予期間がなく、急な判断を迫られました。水面下で先週、どうやら・・・といった話は出ていたようですが、決定の詳細が届いたのは、早いところで金曜、遅いところだと土曜、緊急事態宣言が始まる日の前日や前々日でした。
しかも、緊急事態宣言が始まった25日は日曜日。GWもそろそろスタートということもあり、たくさんのイベントが計画されていました。そこにやってきた急激なストップの要請。イベントを計画されていた方々の大変さはいかばかりかと存じます。
鶴川落語会は「たまたま」この時期に落語会の予定がなく、「たまたま」難を逃れました。でも、決して他人事ではありません。5月に2つの落語会のチケット発売を控えていますし、緊急事態宣言の延期も十分考えられます。そして何より、この閉塞感、感染への恐怖はまだまだ続きます。果たして今後無事開催できる状況になるのだろうか、来場のお客様に安心して楽しんでいただける環境を整えることができるのだろうかと心配です。
最近の鶴川落語会は、入場者数を半分に減らして開催していますが、この対応はいつまでもできることではありません。半分ということは、入場料金も半分になるということです。それなのに、私共には全く助成や補助はありません。私は落語会の開催以外に仕事をしているので、なんとか食べていくことはできますが、開催へかかる費用を補填する体力がいつまで持つだろうかと思います。我慢を強いるだけ強いて、あとは自己責任でという国の姿勢に大きな疑問を持っています。国民が苦しんでいる中開かれようとしているオリンピックにも、今は賛成しかねる思いです。
文化は不要不急でしょうか。文化に携わる仕事は不要不急でしょうか。コロナの世になる前から既に、文化は支援が行き届かない分野でした。我々が選挙で選んだ政治家は、文化への興味が全くありません。文化に本当に汗をかいてくださる方はいないと感じています。鶴川落語会は昨年NPO法人になり、様々な方から「助成金が出るんでしょ?」とか聞かれますが、文化への助成金は(特に我々のような新規で弱小団体は)ほぼありません。
お金の話に傾いていますが、問題の本質はそこではありません。文化にもっと目を向けてほしい。大きなお金を産まない分野、自分たちが興味のない分野は切り捨てる世に、NOを言い続けたい。今回、定席(上野鈴本、新宿末廣、池袋、浅草)は閉めない選択をしました。それに関して、様々な意見があると思います。なぜその選択をしたのか。私はそこを想像すると、励まされるような、身につまされるような思いです。
人の命より重いものはありません。そんなことは重々承知しています。感染症に関して、実は人ができることなんてあまりないのではないかとも思っています。だからこそ、こんなときだからこそ、政治の出番なんじゃないか。政治ってこんな時に一番力を発揮するものだと思っていましたが・・・。
今、東京の医療体制は、大阪よりマシとは言え、油断してOKというものではありません。変異株もかなり広まっていると言われています。くれぐれも予防は怠らず、安全に、そして時折心の開放も忘れずにお過ごしください。
今は残念ながら、自分の身は自分で守るしかなさそうです。
怒りの投稿の後に告知なんて・・・ですが、7月10日(土)に、昨年8月1日(土)より延期となった「遊雀・萬橘二人会」を開催します。無事、開催できますように。祈る思いです。
追加発売は、5月25日(火)を予定しています。必ず開催しますとお約束できませんし、お越しいただくのに心配な気持ちもわかります。是非とは言いにくい状況ですが、予定に入れていただけたらありがたいです。皆さんと楽しい時間を過ごせたらと思っております!
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