鶴川落語会

2020年5月28日

自粛緩和と言われましても

緊急事態宣言が解除され、東京都のロードマップでは、現在ステップ1の段階だそうで、全面的または部分的に休業要請等の緩和措置がとられた業種もあるようです。

とはいえ、いきなり「よーし!行きつけの焼き鳥屋にみんなで行くか!」とは、ならないわけで。そろそろ、外食もしたいし、洋服だって新しいものが欲しい。映画館にも行きたいし、本屋にも出向きたい。でも、そんな能動的な気持ちにはなれない。

新型コロナウイルスが撲滅されたわけでも、ワクチンや治療薬が完成したわけでもないのです。私のような人の方が多いのではないかと思います。

そうは言っても、ずーっと籠って、誰とも会わず、仕事も動かず・・・という生活ができるかと聞かれたら、それは無理ですよね。会社員の方だったら、会社の意向にそむくわけにもいかないでしょうし、自分勝手には生きられない人がほとんどだと思います。

自粛期間中の生活、快適といえば快適でした。誰とも会わないし、大して仕事にならない状況だと、まずストレスがかかりません。他人と接触するとなると、楽しく心許せる仲間であっても、多少のストレスはありますし。自分の好きな時間に起きて食事をし、連絡取りたい人に連絡して、読みたい本や見たい動画を見る。満員電車とも無縁で、嫌な思いをすることが極端に減っていました。

だけど。

人間ってそんな風にはできていないと思います。やっぱり誰かに会って顔を見て話がしたい。用件だけじゃなく、世間話がしたい。それにお酒とつまみがあれば、なお良し。たまには意見が合わなくて衝突するのも、やむなし。

私はそんな交流を、今喉から手が出るほど欲しています。

そうじゃなかったら、この仕事してないもんなあ。

落語会に関していえば、お客様同士の感覚を1〜2メートル開けて、消毒や換気の徹底で開催はできる「かも」しれない状況にまでたどり着きました。

ただし、現時点で来場者数100人以下、会場のキャパ50%以下までの開催です。

正直、このルールだと開催は難しいです。小規模の会ならできなくもないけど、キャパ50%以下って、そもそもそんなに大きな会場は借りてないケースがほとんどだと思うので、10人入れる?みたいな。それじゃ、やる意味があるのかって話になります。

演者さんやスタッフもソーシャルディスタンスを守るわけで、楽屋がそもそも密になるんじゃないのかとか。気にし出したらきりがない。そして、気にしないわけにいかない。気にして徹底しないといけないとなれば・・・思考停止状態になります。どーすりゃいいのさ!

人と人の距離が縮められない現実。この仕事の醍醐味が半分以上消失する事態に、頭を抱えてしまいます。来月中旬くらいにステップ2に進んでくれたら少しは希望が持てそうですけど、病院でクラスター発生のニュースを見て、難しそうな気がするのは私だけでしょうか。

もう少し、ゆっくりゆっくり、具体的なルールを決めてから自粛解除した方が良かったんじゃないかな〜と思うけど、経済問題的には限界だったでしょうしね。

私は専門家じゃないですし、少しでも良い状況になることを願います。

5月20日に、NHKBSで「独裁者」を放送していました。地上波なんかよりずっと骨太。

だってこの時期に、ですよ。もし全く意図してなかったのなら、テレビで仕事している人間としてぼんやりし過ぎです。